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クリニック開業は何から始める?物件・内装・資金計画をつなぐ準備の進め方

執筆:アットクリニック編集部 / 更新日:2026-10-20

公開日:2026-10-20

クリニック模型と開業スケジュールを描いた線画
イメージイラスト(AI生成)

クリニック開業は何から始めるべきか。診療方針の整理から、物件選び、内装計画、資金計画まで、契約前に確認したいポイントと準備の進め方を解説します。

クリニック開業は何から始める?物件・内装・資金計画をつなぐ準備の進め方

クリニック開業の準備では、診療方針を起点に、物件条件、内装計画、資金計画を並行して具体化することが大切です。物件契約を先に済ませ、後から設備や予算を合わせようとすると、計画の見直しが難しくなることがあります。

この記事では、これから物件探しを始める先生に向けて、最初に整理する項目と、候補物件が見つかってから確認する順序を説明します。開業時期や診療科によって必要な作業は変わりますが、まずは「誰が、何を、いつまでに確認するか」を見える形にすることから始めましょう。

1 診療方針を物件選びの条件に変える
初めに整理したいのは、部屋の数や好みの内装写真だけではありません。想定する患者層、診療内容、予約方法、医療機器、スタッフ体制を言葉にします。

例えば、付き添いのある患者さんを多く想定するなら、待合の席数だけでなく、入口から受付、診察室まで移動できるかを考えます。検査を重視するなら、機器の設置面積に加えて、準備、着替え、説明、保守の場所も必要です。

「広い物件がよい」という希望を、「どの場面で、誰が、何のために場所を使うか」に置き換えると、内見時の確認項目が具体的になります。

未定の機器は、候補機種や想定用途だけでも共有してください。設計の前提が決まっていない部分を、決定済みの条件と混ぜないことが重要です。

最初の整理シートには、次の項目を記入します。
・診療科、専門領域、主に診たい患者層
・診療時間、予約中心か当日受診中心か
・必要な診療・検査・処置と導入予定機器
・医師、看護師、受付などの想定体制
・希望エリア、開業希望時期、予算の考え方
・必須条件、調整可能な条件、まだ決められない条件

2 候補物件は診療と設備の両面から確認する
立地が診療方針に合っていても、建物の条件によって希望する内装が難しい場合があります。反対に、室内に十分な面積があっても、患者さんが入口へたどり着きにくい物件では、別の課題が残ります。

候補地では、周辺の人口や医療機関を調べることと、建物・室内の調査を分けて行います。室内は、柱、梁、入口、窓、既存の給排水位置などを図面と照合します。募集図面の面積だけで必要な部屋が入ると判断せず、家具や機器を置いた概略配置で確かめます。

電気、給排水、空調、機器搬入などは、設備が「ある」だけでは十分とは限りません。予定する診療や機器に必要な条件と、建物側が提供できる条件を比較します。詳細は設計者や設備担当者、機器メーカー、貸主側の管理担当者に確認し、回答を記録します。

また、内装計画では消防や建築に関する確認も必要です。東京消防庁の案内では、入居する建物と事業の用途、既存消防設備などの事前確認を挙げています。適用条件や手続きは所在地と計画によるため、設計者と管轄の窓口に確認してください。

3 概略レイアウトと概算費用を一組で検討する
候補物件の比較では、レイアウト案と概算費用を別々に評価しないようにします。部屋を増やす、給排水を移す、空調を追加するなどの判断は、費用や工期にも関係するためです。
概略レイアウトでは、受付・待合から診察へ進む患者動線、スタッフの移動、物品の搬出入を確認します。診療科や運営方法によって適した配置は異なるので、一つの配置例をそのまま全物件へ当てはめることはできません。
概算見積もりには、算定時点の図面、工事範囲、含まれない項目を添えてもらいます。同じ「内装一式」でも、設計、設備、看板、消防対応などの扱いが違えば、金額の比較はできません。貸主指定工事がある場合は、その見積もりと日程も確認します。

この段階では細部をすべて決めるより、「実現できない条件がないか」「予算の大きな不足がないか」を判断できることが目的です。見積もりの確度が低い項目は、確定額に見せず、未確認であることを残します。

4 必要資金は支払時期まで並べる
資金計画では、必要総額だけでなく、支払いの予定と調達の時期を合わせます。物件契約、設計・工事、機器、採用・研修、開業告知などの項目を分け、支払いが発生する月を記入してください。
開業後の運営に残す資金も、工事費の余りとして扱わず、別枠で検討します。患者数や収入が計画どおりに立ち上がらない場合でも、家賃や人件費などの支払いは発生します。必要額は診療内容や経費、入金条件に応じて試算します。

金融機関への相談には、診療方針、候補物件、見積もり、収支の前提を揃えると説明がしやすくなります。日本政策金融公庫の創業計画書セルフチェックも、事業の概略、資金調達、事業の見通しを整理するために利用できます。融資の可否や条件、実行時期は個別の審査・調整によるため、資金が必要になる日程と合わせて確認します。

5 契約や着工の前に未確認事項を残さない
準備全体を一つの担当者だけで完結させるのは難しいものです。医師、不動産担当、設計・施工担当、機器担当、金融機関などの間で、判断の前提を合わせる必要があります。

管理する表は複雑でなくて構いません。「確認項目」「担当」「回答」「回答日」「期限」の五つを用意します。口頭で聞いた内容でも、費用や実施可否に関わるものは、図面や資料、書面の回答として確認できる状態にしておきます。

特に、工事をするには誰の承諾が必要か、予定する診療ができるか、追加の設備対応が必要か、支払いに間に合う資金を確保できるかは、契約や着工の判断に直結します。不明なことを「たぶん大丈夫」として消さず、確認が済むまで判断待ちとして扱ってください。

開業準備の最初のチェックリスト
□ 診療方針と想定患者層を言葉にできる
□ 必須条件と調整可能な条件を分けている
□ 物件条件と機器・設備条件を照合している
□ 同じ図面を基に内装と費用を検討している
□ 見積もりに含まれない項目を把握している
□ 開業前後の支払時期を整理している
□ 未確認事項の担当と確認期限が決まっている

開業準備を前に進めるために必要なのは、初めからすべての答えを持つことではありません。

分からないことを整理し、物件・内装・資金の関係が見える状態で相談することです。

候補物件を検討中の先生は、診療方針と物件資料を揃え、内装の実現性も含めてご相談ください。

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https://atclinic-naisou.jp/services.html
参考資料(確認日:2026年10月20日)
日本政策金融公庫「創業計画書セルフチェック」
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/sougyouselfchek/
東京消防庁 神田消防署「テナント入居の際の手続き」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/fs/kanda/tenantnyuukyo.html

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